本 堂
江戸時代初期の建立と伝えられる。享和二(1802)年に創建時の茅葺屋根から瓦葺屋根に全面改修された。たびたびの改修により建立当時の姿より変化しているが、天井が一般の真宗寺院に比べると低く竿天井であること、内陣の床が低いこと、後門がのちに増設されていること等、初期真宗寺院の道場形式の特徴が随所に残っている。
平成七年老朽化に伴い大屋根の葺き替えをはじめ内外陣の大改修を行った。
庭 園
江戸時代初期の枯山水回遊式庭園。本堂建立と同時期に築庭されたものと思われる。旧葉山川の築堤を築山に見立て、築山周辺の椿「熊谷」をはじめ、椎の木、ドウダンツツジ等の木々は、いずれも樹齢300年を超える大樹の古木である。前庭の杉苔は年中青々と緑を維持し、見るものの心に安らぎを与えている。
庭園に霊仙石と称する奇石がある。草津市史によれば「天保年間、願了が琵琶湖上で遊びし時、人形のようなものを認めこれを上げ境内に移し霊仙石と名付け、遠近より来観する者多く、詩歌、俳句を献じた」とある。