11月7日(土)、8日(日)の二日間、最勝寺の報恩講が務まります。真宗門徒にとって欠かすことのできない大切な仏事である報恩講は「ほんこさん」と親しみを持って呼び習わされ、大切にお勤めされてきました。
昭和5年、26歳の若さで亡くなられた詩人の金子みすゞさんの作品に報恩講をうたった詩があります。
『報恩講』 金子みすゞ
「お番」の晩は雪のころ
雪はなくても暗(やみ)のころ。
くらい夜みちをお寺へつけば
とても大きな蝋燭と とても大きなお火鉢で
明るい、明るい、あたたかい。
大人はしっとりお話で 子どもは騒いじゃ叱られる。
だけど、明るくにぎやかで 友だちゃみんなよっていて
なにかしないじゃいられない。
更(ふ)けてお家へ帰っても
なにかうれしい、ねられない。
「お番」の晩は夜なかでも
からころ足駄(あしだ)の音がする。
当時の「ほんこさん」は子どもにとっても、その日だけは遅くまで起きていることが許される、心がワクワクする楽しい行事だったようです。
私達の川原でも、かつてはご門徒の報恩講がお勤まりになる日には、子どもたちが「今晩○○さんのほんこさんが勤まります。おまいりしとくれやす」と在所中をふれまわり、その後、夜の「報恩講」に先立ち子どもたちだけの「ほんこさん」をお勤めし、ごちそうやお菓子を頂いて楽しい時間を過ごしたと聞いております。
時代が変わっても、厳粛な儀式の中にも「ほんこさん」の言葉が持つほのぼのとした優しさや暖かみが感じられる楽しい報恩講をお勤めしたいものです。
8日、お日中法要の後、蓮如上人の「講」の原点に返り「お汁」のお斎を頂きます。「お汁」は7年前にお寺の婦人会の皆さんにご無理をお願いし復活いただきました。夏場よりお育て頂いた小芋を持ち寄り、3日前からの皮むき、前日の煮込みと、心を込めてお作り頂いた「お汁」を、ご参拝の方々一同で頂きます。何でも簡単に食べられる時代だからこそ、お汁を頂くことによって真宗門徒としてのありがたさがわかるように思います。
ご法話の講師には、ご住職以外の分野でもご活躍されている4人の方をお招きしています。それぞれの貴重なご経験からいただかれた真宗の大切な心をお話いただけるものと思います。多くのご参拝をお待ちしています。
日 | 時間 | 法要・行事 | 法話・お話 |
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11月7日(土) | 午後2時 | 逮夜・御伝鈔拝読 | 真行寺住職 藤田義勝嗣 師 |
午後7時 | 初夜・御伝鈔拝読 | 壽命寺住職 杉生 値 師 |
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11月8日(日) | 午前7時30分 | 晨朝 | 浄願寺住職 吉武宗壽 師 |
午前10時 | 日中・登高座 | 循環型社会システム研究所代表 森 健司 先生 |
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正午 | お斎 お汁講 |